Children of Bodom・アレキシ流、LGWの使い方

新作「Halo of Blood」を引っさげて先月9月6日に渋谷AXを熱く燃やしたChildren of Bodom。そのライブの様子は最新のYoung Guitar、およびGuitar Magazineの両誌でも取り上げられていましたが、そこで意外なものが載っていたのではないでしょうか。

注目はヴォーカル・リードギターを務めるアレキシ・ライホの機材です。このライブでは非常にシンプルな機材の使い方をしていました。

アンプはMarshall JCM900 2100 SL-Xを使い、ギターはもちろんESPのシグネチャーモデル。これにはEMGピックアップが載っていました。

そしてエフェクトはMad Professor New Little Green WonderとBOSS NS-2のみ。しかもLGWは常時ONにして使っているということです。

誌面から考えると、そのセッティングはこのようになります。果たしてLGWとマーシャルだけであの音は出るのか。そして、その中でLGWの役割とは何か、その音は再現できるのか。

まず、アレキシのLGWについて。LGWにはPCBバージョンのNew Little Green WonderとハンドワイヤードバージョンのLittle Green Wonderがあります。

実際に誌面で確認していただければと思いますが、アレキシのLGWはこの写真のように、DCジャックが四角くなっていました。これはPCBバージョンの特徴で、PCBマウントのジャックを使っていることがわかります。

Children of Bodomほどのバンドですから、あえてPCBバージョンを選択した可能性もありますね。いずれにせよ、アレキシはPCBのLGWを使っています。

そこで、実際にこのセッティングを試してみました。

マーシャルの歪みを追加するため、後段にはCatalinbread New Dirty Little Secretをセット。ギターはレスポールを使用。LGWは18Vで駆動しました。

LGWを持っているなら、このセッティングをもう試したかもしれません。その方なら分かると思います。このセッティング、ほとんど音が変わりません。

正確には、軽くブーストがかかりますが、マーシャルにプラスして歪みを追加するとか、ペダルでブーストしてアンプをプッシュするような使い方ができるような音ではありません。この設定のLGWは、まるでEQペダル、それもほとんど原音を変えない設定のEQのようです。

それでは、マーシャルアンプサウンドのDLSをONにして、LGWのON/OFFを比べてみると、このセッティングにおけるLGWの役割はとても良くわかります。

LGWとDLSが両方ONの状態では、張りと厚みが増し、明らかに音が前に出ます。LGW側で歪んでいませんので、DLSをOFFにする、つまりアンプのチャンネルをクリーンに切り替えるような動きをすれば、ギターサウンドはその厚みを保ったままクリーンに切り替わります。つまり常時ONでの使用が可能です。

では、レスポールとLGW、そしてDLSでアレキシの音が作れるのかというと、それは非常に難しいです。ピックアップが違うということもありますが、そもそもアレキシのあの音はアレキシのピッキングを大出力チューブアンプが受け止めて、初めて出せる音です。Catalinbread New Dirty Little Secretのパワーで、ロックからメタルまで、十分にこなせるサウンドは作ることができました。ここでもLGWの働きは非常に大きいです。しかしアレキシサウンドそのものかと言われたら、さすがにそれは違いました。

アレキシのサウンドは、ものすごくゴリゴリのハイゲインに聞こえる音ですが、よくよくギターサウンドを聞いてみてください。たしかにゲインは高めですが、コンプレッションはそれほど高くなく、だからこそピッキングのアタックから全てがクリアに聞こえます。

アレキシのギターサウンドは、基本的にアンプとギター、そして本人のプレイで作られたものなのは間違いないでしょう。ですが、その音をライブで客席へと届ける。ラウドな環境の中で、クリアに音を前に出す、そのための役割を担ったのがLGWではないでしょうか。

ライブやバンド内での音抜けに悩んでいるなら、是非一度、このアレキシのセッティングを試してみましょう。この使い方は、まるで魔法のように音質を変えずに音を前に出すことができます。

Mad Professor New Little Green Wonde、さらにCatalinbread New Dirty Little Secretがあればロックからメタルまでこなせる万能エフェクトの完成です!