新しいブログを書く超絶ベースシンセ、pandaMidi Solutions Future Impact I.の真髄!デスクトップエディタ解説第2回!

伝説のベースシンセペダル、Akai Deep Impactの正統後継モデル。pandaMidi Solutions Future Impact I.は、その歴史、伝説だけでなく、機能やサウンドにおいても現在のベースシンセペダルの中で抜きん出ています。

国内外のアーティストも使用者がどんどん増えているこの超絶ベースシンセペダル。本体での操作も楽しめるんですが、その真髄はデスクトップエディタにあります。

今回は先日のデスクトップエディタ解説の続きとなります。前回はシンセサウンドを作る根幹であるVCOの設定を解説しました。今回はその音色を調整し、シンセサウンドの基本を作るハーモナイザー、エンベロープ、VCFやLFOについて解説します。

デスクトップエディタはhttp://pandamidi.com/support/からダウンロードできます。

●ハーモナイザーブロック

ハーモナイザーブロックには3つのトランスポーズされたハーモニーボイスとディストーションで構成されています。ディストーションへの入力はオリジナルベースサウンドと3ボイスのハーモニーを合わせた4つのボイスがミックスされています。

・MIXER BASS/VOICE1/VOICE2/VOICE3 (0~127):4つのサウンドソースのミックスバランスを調整します。3つのボイスはVOICE1が+1octに固定され、VOICE2とVOICE3は5TH、Octave、Octave+5TH、2Octaveから選択できます。

・HARMONIZER TRANSPOSE VOICE2/VOICE3 (5th / oct / o+5th / 2 oct):VOICE2とVOICE3のトランスポジション(移調)を個別に設定します。5TH、Octave、Octave+5TH、2Octaveから選択できます。2つのボイスを同じ設定にしても完全に同じ音にはならず、ほんの少しのずれが生じます。

・DISTORTION GRADE(0~31):ディストーションエフェクトの歪みの強さを調整します。0に設定してもエフェクトはOFFではありません。

・DISTORTION TONE(0~127):ハーモナイザー/ディストーションパートのトーンを調整します。このトーンをコントロールするイコライザーは2100Hz、Q=0.8に設定されています。コントローラーはこの周波数を±11dBの範囲でカット/ブーストできます。

●エンベロープジェネレーターブロック

・VCA ATTACK/RELEASE, VCF ATTACK/DECAY, NOISE ATTACK/DECAY(1~127):Future Impact I.には3つのエンベロープジェネレーターコントロールがあります。それぞれVCA(Voltage Contolled Amplifier)、VCF(Voltage Controlled Filter)、ノイズジェネレーターです。
それぞれはベースの各アタックでトリガされますが、それぞれには重要な違いがあります。VCAのエンベロープジェネレーターはアタック/リリースエンベロープで、VCFとノイズジェネレーターはアタック/ディケイエンベロープです。
つまり、VCAエンベロープはアタックが0からスタートし、サウンドが最大レベルに達するまで維持し、リリース時にフェードアウトします。VCFとノイズジェネレーターはアタックが0からスタートし、サウンドが最大レベルに達するとすぐに0に戻ります。
さらに踏み込めば、VCAがここで説明したとおりに動作するにはコンピュータからキーボードでドライブされている場合のみです。ベースを使うと、サウンドのディケイはエンベロープのリリースタイムとベースサウンドのナチュラルリリースの短い方になります。これはベースギターからの音をよりナチュラルにするためです。
シンセサイザーサウンドはVCAエンベロープでゲートされていますが、ノイズソースは違います。つまり、NOISE DECAYを高く設定したまま短い音をプレイするとノイズが音符よりも長く発音することがあります。

●VCF(Voltage Controlled Filter)ブロック

VCFブロックにはオーディオミキサー、フィルターカットオフモジュレーション、フィルターパラメータの3つのパートがあります。

・AUDIO BASS / DIST / AR.DIST / SYNTH / NOISE
(0~127):5つのミキサーのバランスを調整します。VCFインプットには4チャンネルミキサーがあります。最初のチャンネルはダイレクトベースギターサウンドです。ハーモナイザー/ディストーションブロックのアウトプットが第2チャンネルのインプットチャンネルに接続されています。第4チャンネルはシンセサイザーサウンド、第5チャンネルはノイズジェネレータです。第3チャンネルのAR.DISTチャンネルは4つ目のチャンネル、つまりシンセサイザーサウンドのスペシャル機能です。
前項のとおり、シンセサイザーサウンドはVCAを通過しています。つまり、アタックタイムを調整すると、ベースのアタックから遅れてシンセサイザーの音がスタートします。AR.DISTチャンネルには第2チャンネルのように歪んだ音が含まれていますが、シンセサイザーの逆位相エンベロープで動作するVCAを通っています。つまり、AR.DISTとSYNTHパラメータを同じレベルに調整し、アタックタイムを大きく調整すると、音色はまずハーモナイザー/ディストーションのサウンドが鳴り、そこからシンセサイザーサウンドにクロスフェードします。この機能を使うことで、シンセサイザーサウンドのトラッキングエラーや遅れをカバーすることができます。

・MODULATION FRQ VINTAGE (off、1~80) / FRQ NEW (36~122):これらのパラメータは同じ機能です。VCFの基本周波数の設定です。Deep Impact SB1の指数関数フィルタコントロール特性の近似が不正確ですが、Future Impact I.は完全に正確です。
しかし、Deep Impact SB1のサウンドをエミュレートするためにはフィルタの不完全さをエミュレートする必要があります。そこで、Deep Impactエミュレーションサウンド(デフォルトのバンク0にある9つのセット)ではFRQ VINTRAGEを使用します。FRQ NEWは使用しません。FRQ VINTAGEがoffに設定されると、FRQ NEWパラメータがアクティブになります。これらのパラメータのスケーリングは、FRQ VINTAGEでは10ユニット/オクターブで、FRQ NEWではフィルタ周波数のMIDIのナンバーです。

・MODULATION ENVELOPE FOLLOWER (0~127) / AD(0~127) / PITCH FOLLOW(0~1):フィルタの周波数は別のソースからダイナミックにモジュレートすることができます。ENVELOPE FOLLOWERシグナルはベース・ギターの音量を正確にフォローします。このソースを使用すればサウンドのダイナミックなモジュレーションが可能です。ADモジュレーションはVCFエンベロープジェネレーターシグナルで、アタックとディ・ケイタイムを調整できます。PITCH FOLLOWは0か1を設定します。0に設定するとフィルタ周波数は固定され、ベースギターシグナルから独立します。1に設定するとフィルタ周波数はベースギターシグナルをトラッキングします。これはホイッスルサウンドを作るシャープなフィルタの調整に有効です。

・MODULATION FRQ 2ND(0~24):Future Impact I.にはVCFが2つあります。これらはパラレルで接続されていて、2つ目のVCFには調整できるパラメータは1つしかありません。それがFRQ 2NDです。レゾナンス(Q)パラメータは1つ目のVCFと同じです。2つ目のVCFは常にバンドパスモードで、カットオフコントロールシグナルも1つ目のVCFと同じです。FRQ 2NDは固定されたハーモニックインターバルとカットオフコントロールシグナル間のオフセットを調整できます。2つのレゾナンスを使うことで、母音のようなフォルマントを作り、人の声のような音を作ることができます。オフセットは半音単位で設定でき、0に設定すると2つ目のフィルターがOFFになります。

・FILTER TYPE:このパラメータはLOWPASS、HIGHPASS、BANDPASS、NOTCH、OFFから選択するパラメータです。OFFからにするとフィルターはバイパスされます。

・FILTER RESO(7~127):フィルターのレゾナンス(Q)コントロールです。パラメータは7~127の範囲で設定できますが、実際に設定されるQは0.7~12.7です。

・24 dB / 12 dB:フィルターのモードを24dB/octaveと12dB/Octaveから選択します。


●LFOブロック

専用のLFOを使用し、VCFとVCOをモジュレートすることができます。

・LFO FREQ(1~127):LFOの周波数を設定します。

・LFO DELAY(0~127):LFOをフェードインするエンベロープはベースの各アタックごとにスタートします。LFO DELAYパラメータはフェードインの発生を遅らせるディレイを設定します。0に設定するとLFOは即座に動作をするようセットされます。

・LFO VCF DEPTH / VCO DEPTH(0~127):LFOでVCF、VCOそれぞれをどの程度モジュレートするかを設定します。

このとおり、設定できる内容は圧巻。そこらのプラグインシンセが逃げ出すほどの設定ができるベースシンセペダルなのです。